岡山大学循環器内科 岡山大学循環器内科
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中島充貴先生の「経皮的心房中隔欠損閉鎖術後の血行動態をデバイス間で比較した論文」がCirc Jに掲載されました。

2025.04.28

論文名:Hemodynamic Changes After Wire Frame Occluders vs. Metal Mesh Devices for Atrial Septal Defect

雑誌:Circ J. 2025 Mar 27. doi: 10.1253/circj.CJ-24-0966.

概要:心房中隔欠損症(ASD)の経皮的閉鎖デバイスにはワイヤーメッシュ型とワイヤーフレーム型の2種が使用されます。本研究は、当院で経皮的ASD閉鎖術を行った症例を対象にデバイス間の術後BNPと残存シャント率の差を、傾向スコアにより術前の患者背景でマッチさせた上で比較しました。ワイヤーフレーム型は残存シャントが早期から少なく、急性期のBNPが高い傾向にありましたが遠隔期にはBNPの差は有意ではなくなっているという結果でした。以上の結果から、ワイヤーフレーム型は早くシャントを閉鎖したい症例には適しているが、術後左心不全が懸念される症例には急性期の利尿剤使用やデバイスにフェネストレーションという小さい孔を作成する(参考: doi: 10.1016/j.jccase.2024.04.001.)事を考慮する必要性が示唆されました。本研究が経皮的ASD閉鎖術のデバイス選択や術後管理に役立つことを期待します。