循環器内科からのお知らせ
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戸田洋伸先生の「TAV in TAVと左主冠動脈へのstentingを同時に行った症例報告」がJACC Cardiovasc Intervに掲載されました。
2025.04.28
論文名:Novel Technique for Implanting the Second Valve Accompanied by Simultaneous Snorkel Stenting
雑誌:JACC Cardiovasc Interv. 2025 Apr 16:S1936-8798(25)00898-2.
概要:TAV in TAVを左主冠動脈へのstenting(snorkel stenting)を同時に行ったという世界初の報告となります。80歳台の女性、重症ASに対して大腿動脈アプローチでバルーン拡張型人工弁(Sapien3 UR)を留置したところ、直後にacute trans-valvular leakを生じました。直ちにsecond valveの留置が必要な事態となりましたが、本症例は、バルサルバが小さく、sinus sequestration(バルサルバ隔離による冠血流悪化)のリスクが高いと考えられました。冠動脈保護の手段として一般的には人工弁の外側から冠動脈にアクセスする”chimney stenting”という手技がありますが、バルサルバの小さい本症では困難であったため、first valveの最上端のストラット越しに、左冠動脈主幹部ステントを運んで、second valveと同時に拡張して留置するといった新しい方法(“simultaneous snorkel stenting”)にてbail outを行いました。snorkelとは、皆様がご存じの、シュノーケリングに用いる口から横切って水上にアクセスするあれですね。何となくイメージいただけるかと思います。本症例は、治療後の経過も良好であることから、報告させていただきました。今後、遠隔期におけるサピエン弁のSVD(BF)を生じた症例の中でも、TAV in TAVに伴う冠閉塞リスクが高いと考えられる症例に対して、本手技が有用である可能性が示唆されました。
外部リンク:https://authors.elsevier.com/sd/article/S1936879825008982