岡山大学循環器内科 岡山大学循環器内科
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中山理絵先生の「左心不全患者における右房ストレインの臨床的意義」に関する論文がBMC Cardiovasc Disordに掲載されました。

2025.12.12

論文名:Prognostic value of right atrial strain in patients with chronic heart failure

雑誌:BMC Cardiovasc Disord. 2025 Nov 22.

概要:本研究では、左室駆出率50%未満の慢性心不全患者613名を対象に、右房リザーバー機能(RASr)と心血管死・心不全入院との関連を検討しました。中央値41ヶ月の追跡で119例の心イベントが発生し、RASrが20%以下の患者ではイベント発生率が有意に高いことが示されました。多変量解析でも、RASrは年齢、左室駆出率、左房容積指数、E/e’といった既知の予後因子とは独立して心イベントと関連していました。さらに、RASrを従来の予後モデルに追加することで予測精度が有意に向上し、その臨床的有用性が示されました。RASrは右心負荷やうっ血を反映する非侵襲的指標であり、慢性心不全患者におけるリスク層別化ツールとしての可能性が示唆されました。

外部リンク:https://link.springer.com/article/10.1186/s12872-025-05307-1